歯周病は、「歯の周りの病気」という言葉になります。
初期には、ほとんど症状が出ないため、放置してしまうことが多いのがこの病気の特徴です。
歯肉の炎症のメカニズム
歯周病は、初期は殆ど自覚症状がありません。
痛みもないので、悪くなっても放置しておくことが多いようです。
ちょっとおかしいなと思っても、そのままにしておいて、膿が出てあわてて歯科医院へという人が大半ではないでしょうか。
体のもつ自浄作用
口の中には細菌がたくさんいます。細菌は口のだけでなく、皮膚にもたくさんいます。しかし、皮膚は角化組織で、細菌は体の中に入り込むことができません。
人間の体は細菌の出す毒素などが体内に入らない仕組みとなっていて、これを自浄作用といいます。
歯だけは自浄作用がきかない
しかし、歯だけはこの自浄作用がききません。歯に付いた菌は歯磨きなどの外からの力を借りなければ退治することができません。
炎症は体を守るひとつの現象
歯の表面に細菌が付いても歯磨きをして汚れを落とせば病気にはなりません。
ところが、歯と歯肉が接した、特に内側の部分(抵抗減弱部位)にたくさんの歯垢が付くと、細菌の出す毒素が体の中に侵入しようとします。
人間の体はこうした外からの異物に対して、白血球やいろいろな抗体で戦いをおこして抵抗します。
この働きを免疫といいます。この戦いの場所が炎症となります。
これが歯肉炎です。
この段階で食い止められず、さらに進むと歯周炎となり、最後には悪化して骨が溶かされ、歯を失ってしまいます。